三日坊主の三年日記

人生を、おもしろく

ぼくにとっての「書くこと」

ブログ『三日坊主の三年日記』を始めてから、なんともう二年の月日が過ぎていた。

 

みなさんご存知の通りぼくは三日坊主なので、少なくとも三年は続けたいと思いを込めてつけたタイトル。

そこにもうすぐ迫ろうとしているのだなと、嬉しくもありながら、どこか寂しくもある。三年過ぎたらタイトルどないしよ。

 

少しこのブログの歴史をお話しすると、大学を卒業したぼくは大阪の会社に就職し、日々学んだことや感じたことをアウトプットする場を設けるためにこのブログを開設した。

当初の目的はたったそれだけだったため、誰に公開することもなくただただ自分のために文章を書いた。

とはいえ働きながらであったため、開設してまもなく存在すら忘れかけていた。

 

それからいろいろあって会社を辞め、実家の福岡に帰るとぽっかりと時間ができた。

すると必然的にものごとを考える時間が増えた。思考を整理するために、文章にするという行為はぼくの性にとても合っていて、楽しかった。

 

もともと高校生のときからホームページをやっていて、文章を書くのはすきだった。

しかしあの頃はただ周りに認めてもらいたくて日常の出来事をおもしろおかしく書いていただけのちっぽけなガキだったので、今ほどじっくり考えて書くことなどなかった。

 

その後東京の大学院に入学してからも細々とブログは続けていたのだが、ブログの記事はおろか存在すらも友人や知り合いに伝えることはなく、自分の中だけに留めていた。

単純に、自分の文章をインターネットの荒波に晒すことで何か批判されて炎上したらどうしようという怖さがあったし、当時のぼくにとって「書くこと」の目的はあくまで「思考の整理」だったため、そもそも誰かに読んでもらう必要がなかったのだ。

 

元来ぼくは、瞬時に頭を働かせたり思っていることを言葉にして伝えたりすることが得意ではない。

だからこそ、一人きりでゆっくり時間を使って考えて、それを文章にし、自分の世界で完結させることを選んでいたし、何よりそれが気楽で好きだった。

 

しかし、東京での新しい出会いや学びの中で、だんだんとぼく自身に変化が出てきた。

大学院での授業やボランティア、インターンを通して、否応無しに発言を求められることが増えた。

今まで深く考えずに適当に流して生きてきたツケがずどーんとまわってきた。

発言には責任が伴うからこそ、ちゃんとした知識や自分の軸や裏付けが必要で、それを正しく伝えるスキルも求められる。

コミュニケーションを疎かにしてきた自分を恨んだところでどうしようもなかったので、がむしゃらについていくしかなかった。

 

それはぼくにとってかなりしんどいことだったが、今まで自分の中だけで大切に育ててきた思考や言葉を、誰かと共有することのおもしろさに次第に気づくようになった。

きっとそれに気づけたのは、ぼくが出会った人たちが、ぼくの拙い話を真摯に聞き、応えようとしてくれたからだ。

自分の中にあるものを外に出すことはとても勇気がいるからこそ、優しく受け止めてくれる存在はとてつもなく重要だった。

 

 

そして、2019年1月。

ぼくはついに、Facebook上で初めてこのブログを公開した。

そんなに友達が多いわけではないので大げさな言い方に聞こえるかもしれないが、ぼくにとってはとんでもない一大事で、自分の言葉が人様に読まれることなど恐怖以外の何物でもなかった。

 

けれど、自分の言葉が誰かに届くことによって、相手の中に小さな変化が起こったり、自分の言葉が育っていったりする感覚がおもしろいという実感をこの一年で得られたからこそ、そのインパクトをもっと多くの人と共有したいと思った。

 

 

ブログを公開すると、想像以上に多くの人に声をかけてもらった。

大学時代の先輩が長文のメッセージを送ってくれたり、後輩が泣きながら電話してきてくれたり、友人がブログを始めたり、数回しか会ったことのなかった人がごはんに誘ってくれたり。

そのすべてが素直に嬉しかったのだが、ぼくの周りにはそういったフィードバックをわざわざ手間をかけて伝えてきてくれるようなあたたかい人たちばかりなのだな、と気づけたことが、何よりも嬉しくて嬉しくて仕方なかった。

 

その中でも、ぼくにとって特に印象深いインパクトのあった記事を時系列順に紹介していきたい。

 

 

 

pyonsu.hatenablog.com

 

ぼくが初めて公に出した記事。

認定NPO法人カタリバ』の事業のひとつである、キャリア学習プログラム『カタリ場』のボランティアを始めた動機や、自身の母校で行われたバレー部のOB戦での出来事について綴った。

公開後たくさんの方から個人的にメッセージや感想をもらい、恐怖に怯えながらもFacebookのシェアボタンを押してよかったと一安心。ここでくじけていたら、ブログを閉鎖していたであろう。。。

これをきっかけに、カタリ場のボランティアをともにしていた同志とより深い仲になれたことが超絶嬉しかったなあ。 

 

 

pyonsu.hatenablog.com

 

地元福岡にいる親友について書いた記事。

これを読んだ当の本人の親友からは、号泣したとの連絡が。笑

届けたい人に自分の言葉が届いた喜びを噛み締めた。

 

また、知り合いがこの記事を引用したブログを書いてくれたことによって、自分の言葉は過去の誰かが言っていることと何ら変わりないこと、でもそれを自分が自分の言葉で解き放つことで周りの誰かに染み入る可能性があるんだということに気づかされた。

だからこそ、ぼくは発信したいんだなあ、と。 

 

 

pyonsu.hatenablog.com

 

ぼくの記事の中でもかなりユーモア路線に寄った記事。普段あまり真剣に語り合うことの少ない「性」の話題についておもしろおかしく、かつ真面目に書いてみた。

文中で紹介している『やる気あり美』という団体の太田さんやみしぇうさんに読んでもらえたり、大学院の同期が「大事なことだから身の回りの人に知ってほしい」と連絡をくれてSNSでシェアしてくれたり、嬉しい出来事がてんこもりだった。

太田さんには、「長すぎ」と言われてしまったが。笑

 

 

pyonsu.hatenablog.com

 

NPOカタリバが主体となって運営する、中高生の秘密基地『ビーラボ(b-lab)』でのボランティアを通じて感じたことを書いた記事。

自分の人生の中でコトコト煮込んできたものを、みんなでテーブルに出し合ってパーティーしながら話そうよ、的なことを書いたところ、館長さんもFacebookでシェアしてくれて、後日なんとビーラボにて本当に煮込みパーティーが実現されました、、、!!(ぼくの大好きな大根を煮込みました。)

 

ボランティア同士で深い対話をするきっかけとなったことが嬉しかったなあ。

 

 

 

pyonsu.hatenablog.com

 

文部科学省が官民協働で実施している、『トビタテ!留学JAPAN』という奨学金に応募してから合格するまでのストーリーを綴った記事。

 

文中に登場する、ぼくが一番お世話になった恩人である茂木さん(留学支援をしている大学生)がこの記事をシェアしてくれたところ、なんとなんと茂木さんが支援していた九州の女子高生にこの記事が届いたのだ、、!!

 

「このブログを読まなければ、自分の気持ちを上手く言語化することができない私は、いつものように何も書かずにいたと思います。でも、このブログを見て、やっぱり私もちゃんと茂木さんにお礼が言いたい、と思ったんです。」

「いつか、あらしさんに笑顔で挨拶できたら嬉しいです」 

と茂木さん経由でメッセージをもらい、ぼくも茂木さんも彼女もみんな号泣するという大事件に発展(泣) (泣)(泣)

 

自分の書いた文章が、遠く離れた顔も名前も知らない誰かの背中を押すことができたという体験は、大きく大きくぼくの心を動かした。

というか、シンプルにインターネットすごい。

 

 

 

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ぼくが活動する冒険遊び場で行われた、『こども商店街』での出来事を綴った。

 

ここで遊ぶ子どもたちが起こす奇跡を目の当たりにしたことによって、ぼくがこの先の人生を通して起こしたい奇跡について考えさせられた機会であった。

 

この記事をFacebookにあげたところ、冒険遊び場に通うお母様方の中でプチブームとなり、あたたかい言葉をいただけたことがすんごく嬉しかった。

 

今まで冒険遊び場では子どもたちとの関わりだけに留まっていたが、この記事がきっかけで保護者の方とのつながりが増え、一人ひとりの子どもや親子の背景をより深く知れるようになり、活動が何倍も何倍も楽しくなった。

 

「書くこと」が起点となっていろんな人とつながることで世界が広がったり深まったりすることってこんなにもおもしろいんだ、と実感できて最&高だった。

 

 

 

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Vリーグの試合にて、あまりのプレッシャーでトスが全然上がらなくなってしまったJT田中美咲選手に向けて、メッセージを書いたところ、何気にアクセス数的に過去イチの反響があった(笑)

やはりこういう文体がある意味ぼくに一番フィットしているのか、、、?

 

普段は身内とつながっているFacebookで記事をシェアしているのだが、こちらはTwitterでシェアしたため多くのバレーボールファンが読んでくれた。

内容によって届けたい人も変わるため、それに応じて届ける手段も変わってくるんだなと当たり前のことを実感した。

 

「田中美咲選手に届いてほしいと思います。僕もとても共鳴させていただきました」「あの試合をみて思ってたことだ...書いて下さりありがとうございます」といったお声をいただき、(バレーボールファン熱すぎ。。。)と感動を覚えた。

 

「書くこと」って、実は誰かの言語化をお手伝いすることでもあるんだなあ。

 

本人に届いていると一番嬉しい....!!!!!!!

 

 

 

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先述した冒険遊び場で行われたこども商店街での、アナザーストーリー。

 

こちらは先程の記事がきっかけでつながったお母様とのやりとりをもとに執筆した。

後日、この記事をお母様が息子さん(この記事の主人公)に見せてくれたのだが、彼は大号泣してしまったようで、ティッシュの山に埋もれた彼の写真をお母様が送ってくださった。笑

 

「書くこと」で誰かの心を動かしたり、誰かと誰かの関係にプラスの影響を与えられたりすることって、本当に感慨深い。

「自分」と「誰か」のつながりに留まらず、「誰か」と「誰か」のつながりを応援し、背中を押すことは、ぼくが人生を懸けて追い求めていきたい"生きる喜び"なんだと知ることができた。

 

彼がすくすくと育ち、この先またどこかで彼とぼくの人生が交錯する日がくるのだろうかと思うと、楽しみで楽しみで仕方ない。

 

大変なことは多いけどまだまだ生きていきたいな、と思えるかどうかって、きっと人生におけるこういった楽しみをどれだけストックしていけるかにかかっているのかもしれない。

 

ずっと自分のためだけに書いていたらこんな奇跡は絶対に起こらなかったので、「書くこと」がそのきっかけになったことがとてつもなく嬉しい。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

こうして今までのぼくにとっての「書くこと」を振り返ってみると、その意味は少しずつ変化してきたことがわかる。

 

当初は単なる「学んだことのアウトプット」だったものが、時間ができたことで「自分の思考の整理」になった。

文章を発信するようになり、「身の回りの誰かと言葉を共有し、ともに育つ」ために書くようになった。

それによって確かなインパクトを感じられた経験から、「見知らぬ誰かの背中を押す」「誰かと誰かがつながる」「誰かの人生が少しでもプラスになる」ことが、書く喜びになった。

 

自分の言葉が誰かを傷つけうるという事実に怯えてばかりいた頃のぼくからすると、とんでもなく大きな変化だ。

もちろんその怖さは今も肝に銘じているけれど。

 

この変化を踏まえてぼくは、「書くこと」を通してぼくが目指したい社会ってなんだろう、ぼくにしかできないことってなんだろうと考えるようになった。

その結果出た答えが、子どもの遊びについてもっともっと世に広く発信することで、「遊び」を必要としている親子の背中を押すことだ。

 

子どもにも大人にも、今の社会において「遊び」が足りていないとぼくは思っている。

認識の外に飛び出して、思いっきり自分を解放する瞬間。

そのための場所と、時間と、仲間が、冒険遊び場にはある。

 

 

 

そのためにも、今まで我流で書き殴ってきただけだった文章をきちんと学ぼうと決意し、先月、inquire Inc.が主催する『sentence』という講座に参加してきた。

sentence.inquire.jp

 

文章の基本的な書き方を学ぶことはもちろん、自分にとって「書くこと」とは何かといった軸と向き合ったり、実際に受講者同士でインタビューをして記事を執筆したり、4回の講座の中にぎゅぎゅっといろんなことが詰まっていた。

 

そこでぼくは初めて、人にインタビューをし、文字起こしをし、記事を執筆・編集するという一連の作業を経験した。

ライターの大変さが身に染みすぎて、今まで適当に読んでた記事とかもっとちゃんと読もう、と思った。(ごめんなさい)

 

そこでぼくが執筆した記事が、こちら。(駆け出しのライター感満載すぎて恥ずかしい) 

note.mu

 

 

同じくインタビューをされることも初めてでド緊張だったのだが、ペアを組んだ芹田さんがとってもとっても素敵な記事にしてくださって、大大大感謝感激雨嵐。

note.mu

 

いい出会いに恵まれて、ほっこりほっこりでした。なんと、今度息子さんと冒険遊び場に遊びにきてくれるらしい、、!これまた大感動。

 

 

 

というわけで、ぼくにとっての「書くこと」についてまとめてみました。

これからも、「書くこと」を楽しみながら、「書くこと」とともにぼくが目指す社会に向かっていけたらと思っています。

 

では!アディオス!